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#31 2010.2.19 - 2.28 35mm モノクロ 11×14in. 27枚
どんなにどんなにぬぐっても、決して落ちない壁のシミのように、私の中にさりげなく、けれど確実に深く住みついている存在=<故郷>。風が吹いてはゆり戻される日和見な現実と、写った事/物のあいだで写真は波打つ。
故郷からの知らせ いつもとあまり変映えのしない正月の帰省を終えて東京に戻り、1ヶ月も経たないうちに届いた故郷からの知らせ。父が病に倒れ再びゆり戻されることになったその日の新潟は26年ぶりの大雪と観測された。 初めて入ったICU(集中治療室)。そこでの父は素直にされるがままになっていた。しかし見舞いに行くたびに1日の唯一の楽しみが髭剃りだと言わんばかりに剃り始める。瞳を閉じてウットリと。そんな姿がICUという空間を緊張感があるんだかないんだかよくわからない所に変えていた。 連日の雪除けと雪道歩きとで全身筋肉痛になっていた体のだるさが妙に心地よく感じた。父は入院のおよそ2週間後、無事に退院した。 宮島折恵 |
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