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#61 2011.3.5 35mm モノクロ 11×14in. 15枚
写真集『実存 1968-69状況劇場』 鏡の中の放浪地図は、今も汚れてうさん臭い。
グラフィカ編集室/2011年1月31日/B5変型判/並製表紙特色2色PP加工観音開き/一色刷/104頁/写真80点収録/定価1900円+税 60年代末、全共闘運動で騒然とする街に、唐十郎が紅テントで生み出した劇空間、「アンダーグランドの時代」の一つの中心であった「状況劇場」の舞台に、肉体を曝し観客を道連れに、捻り出された時空を跋扈する、麿赤児、四谷シモン、李礼仙らの実存的肉体との邂逅を写真化した西村多美子の初期作品集。
以下、写真集より抜粋
西村多美子 学生時代('67-69年)にアングラ劇団「状況劇場」の写真を撮っていた。液温35度くらいの高温現像で真っ黒なネガを作り、1時間近くの露光時間でプリントをする、実験的というより、無茶苦茶な暗室作業をして、舞台写真を越えた映像表現を求めていた。卒業制作展以来、ネガはたな晒しになっていたが、一昨年300枚近くをプリントしてみた。タイムスリップしたように、新宿ピットインでの夜中12時30分開演だった「続・ジョン・シルバー」や、トラックの荷台を舞台にしたトラック劇場での「腰巻お仙」などがよみがえってきた。芝居がはねた後、唐十郎が「死人箱にゃ74人、それからラムが一ビンと よいこらさあ よいこらさあ」とギター片手に朗々と歌う。客はトリスウイスキーを舐めながら始発電車を待つ。暗い海に漂いだす船のイメージを自分に重ねていたのを思い出した。
麿赤兒 みなぎる破壊への欲望、戦慄、自制、狂気が私の中に渦巻いていた。
四谷シモン 68、69年、『由比正雪』、『腰巻きお仙振袖火事』の時代は、世界中の若者の文化の一つとして、アンダーグラウンドの時代が到来していたんです。 あらゆる物の価値観、たとえば、美術、演劇、政治的な事においても変革の時が来ていたと思います。 その時代にちょうど青春とぶつかり合い、ある種の中心、台風の眼の位置にあった当時の状況劇場と、僕は運命的な出会いをしたんです。 よつやしもん(人形作家) |
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