2015.5.5 - 5.17 
        関薫 Seki kaoru 
        オオミズアオ 
        35mm モノクロ 10×12in. 23枚 
          せきかおる・略歴 >> 
         
          
        素通りすることは叶わない。 
          私にはそれが壁の蛾と同じくらい気になって仕方がないのだ(私にとって壁の蛾とは、平たい面に明らかな違和感を伴い存在し、その確認のためにはときに近接と凝視を余儀なくされる、輪郭が浮いて見える三角形である)。 
          その時、おそらく私は目に見えない世界のほつれ目のようなものを捉えられるのではないかと感じているのだと思う。 
        そしてそのほころびを接点として世界と自分が、ひいては他者と自分が結びつくことができるのではないかと。 
        壁の蛾のように気になる、目に見えないほつれ目を含むその場所。 
          立ち止まったそこでみたものを、写真にして観てみたい。 
        そしてそれを見た人が何かしら(小さな蛾の翅が起こせる風圧ほどでもいいので)を感じてくれたのなら、それはきっとほつれ目の作用に他ならない。 
          
        関薫 
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