2015.9.22 - 10.4 
        服部成児 Hattori seiji  
        in between 
        6×9判 モノクロ 11×14in. 25枚 
          はっとりせいじ・略歴 >> 
         
          
        人と人との、物と物との、事と事とのあいだで途方に暮れないで、確かさだけを尖らせる。 
        そうして歩いて撮ったはずの写真は、かつてそこに立っていた時の自分の息遣いや鼓動といったものが希薄で、よく写っているという事実を通り越してどこか夢の中の出来事のようにみえる。 
        「手に取るように近くと言うが、手に取るように遠くということはあるものだ。」(古井由吉『野川』より「彼岸」) そういう確かさがあるのだろう。それは写真のことそのものを指しているようで、幸福であり絶望だとも思う。 
        こちらかあちらかという退屈な二者択一(Alternative)が成される以前の、あわいだけがいつでも本当のところなのだろう。 
         
        服部成児  |