2012.5.4 - 5.13
宮沢豪 Miyazawa tsuyoshi
影を撮む
35mm カラー 16×20in. 22枚
みやざわつよし・略歴 >>
20代のはじめに観たドイツの映画監督ヴィム・ヴェンダースの映画「夢の果てまでも」の劇中に、記憶を可視化する装置が出て来た。それを見て何か体の底から沸き上がってくるようなある感慨を持った事を覚えている。
スクリーンに映し出されたその映像は何だか判然としないものだったけれど、しかしそれがはっきりとした輪郭を持っていないからこそかえって感じ入ってしまったのだった。
何故写真をとるのかという根元的な問いに対するひとつの答えが暗喩としてそこに含まれていると直感した。端的に言えば写真(映像)は現実(記憶)の圧縮解凍装置ではない、という逆説をそこに読んだのだった。
宮沢豪
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