2017.1.24 - 2.5
那須悠介 Nasu yusuke
事象の地平面
35mm モノクロ 11×14in. 23枚
なすゆうすけ・略歴 >>
事象の地平面(じしょうのちへいめん、event horizon)は、物理学・相対性理論の概念で、情報伝達の境界面である。
情報は光や電磁波などにより伝達され、その最大速度は光速であるが、光などでも到達できなくなる領域(距離)が存在し、ここより先の情報を我々は知ることができない。この境界を指し「事象の地平面」と呼ぶ。(Wikipedia より抜粋)
私は写真を撮っているとき、いつも幼児の頃の感覚を思い出す。言葉を覚える以前には、ものを見て指で触れることでそれが何かを知ろうとしていた。ものに名前は無く、何かと何かの境界さえも曖昧だった。
今でも、もっとよく見たい、あるいは触れてみたいという衝動がシャッターを押すきっかけになっている気がする。そうして得たイメージを人に差し出すことが私の写真行為なのだと思う。
写真が詰まるところ視覚情報の伝達だとしたら、その限界はどこにあるだろう。いつどこで何をどう撮るかという写真における了解事項になるべく依らず、純度の高いイメージの伝達を試みることで、その限界を押し広げていけるのではないだろうか。私はそれに挑み続けたい。
自らに能う限り。
那須悠介 |