2018.7.17 - 7.29
牟田義仁 Muta yoshihito
事物の事日記 2017 alternate
35mm モノクロ 10×12in. 25枚
むたよしひと・略歴 >>
東京都杉並区荻窪/東京都杉並区和泉/東京都千代田区六番町/東京都北区赤羽/東京都新宿区新宿/新潟県佐渡市両津湊/東京都品川区北品川/東京都千代田区東神田/東京都豊島区高松/東京モノレール車窓/静岡県浜松市天竜区二俣町南鹿島/新潟県佐渡市下相川/東京都中央区銀座/宮城県仙台市青葉区中央/北海道小樽市築港/山梨県韮崎市神山町鍋山/東京都調布市小島町/山梨県甲府市塩山
今回のプリントは、スプリットグレードプリント法を用いて作成しました。
スプリットグレードプリント法とは、多階調印画紙の特性を活かしたプリント方法のひとつです。使用する多階調フィルターは、もっとも軟調な0号と、もっとも硬調な5号の2枚のみ。
はじめに、0号フィルターを使って、プリントする写真の中で最もハイライト〜ハイエストライトに相当する部分でテストピースを作り、そこのハイライト〜ハイエストライトの表現に適した露光時間を決めます。次に、5号フィルターを使って、プリントする写真の中で最もシャドウ〜ディープシャドウに相当する部分でテストし、同じくそこだけの露光時間を決めます。そうして出た2つの露光時間を組み合わせて本プリントを行います。
本プリントはまず、0号フィルター(0号、5号どちらから先でもかまいません)で決めたそのままの時間で露光を行います。このとき5号フィルターで決めた露光時間では大方の場合、ハイライト側のミッドトーン〜ハイエストライトまでは白トビし干渉することはないので、そのままの露光時間でほぼ問題はありません。次に、5号フィルターで見当をつけた露光時間から、0号フィルターの時間の約20%を減らして露光します。これは、0号による超軟調の露光では画像全体にトーンが出てしまうための微調整です。約20%減を目安に0号フィルターでのミッドトーン〜シャドーへの干渉の度合いも考慮し、写真のイメージや好みで加減する必要はあるでしょう。これで基本露光はおしまいです。基本露光に限っては、最低限のディテールを出すための焼き込み覆い焼きの必要はもちろんありません。
なお、成り行き上、充分なハイライト〜ハイエストライトが得られなかった写真だけ、赤血塩0.2%の溶液を用いてハイライトブリーチをかけました。
私は以前から、試行錯誤を繰り返してきましたが、まとめてプリントし皆さまに見ていただくのは今回が初めての試みです。何らかの参考になれば幸いです。
牟田義仁 |