DULL COLOR

35mm　モノクロ　11×14in.　25枚
しまねけい・略歴 >>

2018年の５月の終わりから、かなり遅ればせながらInstagramというものを始めてみた。いわゆるインスタというものがどういうものかもわからないまま、とりあえず自分の職場の二十歳の子に聞きながら、あーでもない。こーでもない。と始めてみた。インスタを始めてみて、初めてといっていいくらい携帯電話のカメラ機能で写真を撮るという事をしてみた。

基本的に写真はいつも決まって自分のフィルムカメラ。
ファインダーを覗いてシャッターを切っている自分にとってはとても新鮮な行為だった。

そして、撮り終わった写真をInstagramのアプリに同機させると、まず、トリミング機能に移る、それが終わると今度は写真の加工へ。色々な質感からボタン一つでモノクロ写真へ早変わり。極めて、簡単で明解な手順だった。

この夏、うだるような暑さの中、うちの暗室も見事にサウナと化し、数枚焼き終えるごとに、数キロ自分の体重が落ちたのではないかと思うくらい尋常じゃない汗をかいた。仕事が終わり、帰ってきて、眠い目をこすりながら、深夜、蒸し風呂状態の暗室にこもり、浮かび上がる写真をみながら、自分はなぜこんなにも苦しい思いをしながらこんな事をしてるのか。と一瞬頭をそんな思いがよぎる。

現像、プリント、水洗、仕上げ。そしてまた、帰ってきて、また写真を焼き、水洗をし、その間に乾いた写真をフラットニングし、そして仕上げにはいる。この膨大な時間の中に何か入ってくるものがあるのだろうか。それは自分には果たしてよくわからいが。

でもとりあえず、明日またポチッとボタンを押して並べた展示風景をインスタにでもあげてみつつ、また写真を撮り、暗室に入ろうとおもう。

2017年、４月から６月までの渋谷、新宿、原宿、銀座を中心とした都内のストリートスナップショット。

島根径