2019.3.12 - 3.24
宮沢豪 Miyazawa tsuyoshi
影を撮む
35mm カラー 16×20in. 25枚
みやざわつよし・略歴 >>
僕がまだ若かった頃、森永純「河 - 累影」石内都「アパートメント」楢橋朝子「NU・E」などのある種特異な写真群を目のあたりにして「なるほど写真というものはこんな風に可視的な世界とそうでない世界とのあわいのようなものを写し取れるのだな。もしかしてそこにこそ写真の本質があるんではなかろうかきっとそうに違いない。」と独り合点して、自分でもそういう写真を撮影したい→しようと思い、ある時考えついたのが本写真展の題名です。
これは何の事はない「撮影」を読み下しただけの事ですけれども、あらためて「撮」の字の本来の意味を調べてみると、「戦の時に首級を取って戦功の証とする替わりに(首が重くて嵩張る為)耳を切り取る」というなんとも禍々しく血なまぐさいものであるし、「狐に鼻を撮まれたような」をも想起させて、「写真」と言う空空しいような嘘くさい言葉にそもそも疑問を感じていた僕としては、なんだか嬉しくなってしまったのでした。
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