2019.8.20 - 9.1
安掛正仁 Agake masahito
朧眼風土記 -草宿の国-
35mm digital
モノクロインクジェットプリント A3ノビ 18枚
あがけまさひと・略歴 >>
「AからXへ」
私が写真を撮影することをはじめて
もうずいぶんな歳月が流れた。
その間に、写真への向き合いかた
も変わってきた。
心の闇を糧に、突き放すように撮影したり
眼をぎらつかせながら、獲物を狙うように
夜の街を彷徨い歩いたり
くさい言葉を使えば、それは瞬間世界との
擦過であった。
瞬間とはほんの短い時間だと思っていた。
世界を写真に残すためにはただそれだけしか
方法がないものと思い込んでいた。
今、目の前のもの、こと、よく見て、感じて
対象と対峙したうえで写真に残していきたいと
考えている。
時間的には1秒かもしれないし、
1時間かもしれない
ただ、今の私は、写真を残すために
辻斬りのような方法を欲しない。
擦過から対峙へ
いま必要なことは
対象と向き合い、見て、感じるための時間
である。
それが現在の思いの到達点だ。
1秒であっても、1年であっても
対象と丁寧に向き合えばいい。
瞬間は逃げてはいかない。
安掛正仁 |