2020.9.1 - 9.13
宮沢豪 Miyazawa tsuyoshi
影を撮む 見ること、しないこと、呪術について
4×5in.判、35mm カラー
タイプCプリント 16×20in. 7枚
35mm digital カラー
インクジェットプリント A3 20枚
みやざわつよし・略歴 >>
見ること、しないこと、世界を止める。夢の中で手を見る。
もう30年もたってしまったことに愕然とするが、かつて敬愛する先輩写真家から教えてもらった、カルロス・カスタネダ「呪師になるーイクストランへの旅」を最近やっと読んだ。
ヤキ・インディアンのドン・ファンが「わたし」に「狩人」(=呪術師)の教えを授ける過程で、出てくるやり方や投げかける言葉が、常々自分が写真に対して考えている事とシンクロして来て、読み進むほどにある種の慄きを禁じ得なかった。
例えば歩くときには常に自分の左がわに注意を払え、とか(曰く、「死」は左からやってくるらしい。)、「見る」訓練のために夢の中で自分の手を見ろ、とか。「鴉」の報せとか、風が返事をするとか。
予兆、符合、見えないものを可視化するための不可思議で厳かなテクニック。
それらをいちいち写真に結びつけてしまうのは考えすぎだろうか?
写真術はまごう事無き呪術の一種だと思っているので、皆さんも呪われないように、あるいは取り憑かれないように気をつけてください。
宮沢豪 |