2021.3.2 - 3.14
林朋奈 Hayashi tomona
フラグメントライト
35mm カラー 14×17in. 19枚
はやしともな・略歴 >>
12月25日。23時50分頃。
バイトが終わり駅へ向かう道をバイト仲間とつかれた〜。腹減った〜。なんて駄弁りながらプラプラと歩いていました。
すると、後ろから「邪魔だ。」と声が聞こえて自転車に乗った男が私たちの間を無理矢理割り込んできました。
ビックリし、イラついた私は何も考えずそいつに悪態をついてしまいたした。
(私は思う前に口からぽろっと出てしまう、本当理性のない人間です…)
それに激怒した男は「今なんて言った?!家までついていくぞ。」と興奮し出し、完全にパキパキの目で私たちの後ろをずぅーと付け回してきました。
私たちは、まじやべぇやつの目してる。やべぇやべぇ。と、そそくさと退散しようとしたのですが、やべぇ男はスマホで私達の動画を撮り始めました。
撮んなや!と男のスマホを掴むと「はい、今触った。暴力ですね。」的な事をパキパキの目で言われ、まじめんどくせええ。と内心ものすごーーく後悔していました。
たまたま警官が信号の向こう側にいたので「盗撮されましたー!」とギャーギャー叫んで助けてもらいました。
男は、私たち(っていうか私)に反省させたい。とずっと言っていたようです。
警官は動画は消してもらいました。と言っていましたが、今時一瞬でバックアップとれるし、それがYouTubeに「深夜の五反田。非常識な関西弁女に絡まれる。」みたいなタイトルでアップロードされてるかもしれないし、そんなんめちゃくちゃ怖いわ…。
と、ものすごい恐怖を感じカチャカチャ検索までしてしまいました。
って、普段自分の気の向くままに人を撮って「林朋奈写真展」なんて言って展示しちゃってる私が、なにが盗撮されましたー!だよ。恐怖を感じました。だよ。って感じです。
私が撮ったあの人もあの人もあの人も、撮られた瞬間を思い出して恐怖を感じる時があったらどうしよう。
どれだけ自分がおもろい写真だと思っていても、そんな事は関係ありません。
他人にカメラを向けるという行為には暴力的な何かが含まれているのだと、身をもって体感しました。
私はその暴力と共に生きる覚悟があるのでしょうか。
本当の事言うと、そんな覚悟あるかどうかなんてわかんない。
(そもそも覚悟ってなんやねん。)
撮りたい。撮りたい。撮りたい。
覚悟がどうのこうのを上回る、まだ見ぬ写真への好奇心。
光ある瞬間に出会ってしまったら、撮る事しか考えられなくなるのです。
けれど、どう考えてもやっぱり、暴力的な一面を無視する事は出来ないし、悪意はないんです!なんて言えない。
昔の人は魂抜かれるって思っていたぐらいだし…。
だから、せめてもの償いなのかなんなのか、私は出来る限り写真を写真として提示する事を心がけています。
私の物語にしないように。何かの物語にしないように。写っている事そのままに。
それは、ごはんを食べる時「いただきます。」と手を合わせる事と似ている気がします。
いや、でもその前に。
偉そうに色々言ってるけど、34歳にもなって、そんなアホみたいな事が起きてしまうなんて、なんて下らない人間なんだろ。
まずはそっちやろ。
ぐるぐるぐるぐる。
同じような考えばかり。
私は何を求めているんだろう。いや、別に何も求めてはないか。
目の前の事が「写真」になっていく。
それがたまらなく面白いだけ。それを見たいだけ。
ただそれだけの、単純な話。
(下らないついでに。
前日の24日は道を歩いていたら鳥の糞が靴に落ちてきて、そのあと駅で収録してる大木凡人を目撃して、なになに!私の身になにが起きてるん?!やばいんですけど!!ってなってました。だって鳥の糞やで!大木凡人やで!怒涛のメリークリスマス)
林朋奈 |