2021.4.13 - 4.25
宮沢豪 Miyazawa tsuyoshi
影を撮む
6×6判、35mm カラー
タイプCプリント 20×24in. 3枚、16×20in. 16枚
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そして20年が経った。
あの時バラバラになったかけらを寄せ集めるようにして写真を集めネガをあさってはわかるはずもない眼差しの意味を探りプリントして写真を並べた。
結局最後まで何一つわからなかったし見た人には多分こういう事では無いだろうと言われる始末だった。
本のなかの数葉は小学生の頃に初めてとったものだったらしい。写っている事物は基本的にその後とほとんど変わらない。人間は変わらないんだな。
さて今回全部見たわけではないが20年分の自分の写真をためつすがめつ眺めているとあいも変わらぬ虚空に向けて石つぶてを投げているような作業をえんえんとやっているんだなあという嫌になる事実が再認識されるばかりだった。要するに無だ。20年間の無。
営為として記号としての意味は無だがそれらの中から落穂を拾うようにつまみあげ集めて並べるとそこに何かのかけらが浮かび上がってくるのではないかと念じながら毎回展示をしている。
それは暗い水の底から波打ち際に吹き寄せられた海の藻屑のようなものなのかも知れないけれど。
宮沢豪 |