2022.2.1 - 2.13
牟田義仁
onbeat!5
35mm モノクロ 16×20in. 17枚
むたよしひと・略歴 >>
わたくし、よく夢をみるんです。
よく、というかしょっちゅうみるんです。
毎晩、毎晩、毎晩、毎晩。
たまあに、お昼寝している時もそう、
よく夢をみるんです。
しかも奇妙な夢ばかり。
夜な夜なの深酒がいけないのかしら。
テレビをつけっぱなしにして眠ってしまっていると、同調して突飛なことになっておかしいの。
随分と前から、あっこれは夢だわって気付くようになりました。
約束の地に約束の時間に辿りつけることができず右往左往してても、
あっこれ夢なんだもの。
あっこれ夢なんだって、手にしてる拳銃で何十人もの人たちを平気で打ち殺したこともあるわ。
いけないかしら。
そうして目を覚まして半身をおこし、はぁと溜息をついた瞬間からいっきに夢の記憶がとけて流れ出すんです。慌てて堰き止め、なくならないように拾い集めようと必死にするのですが、残るのはほんのわずかの断片と濃く濃く靄のかったようなとても曖昧なストーリーだけ。
写真を撮っているときは特段、夢のことなんて思い起こしすらしないのだけれど、展示にあたって写真を選んだり並びを考えたりするとき夢の記憶が尾を引いたりするのです。
深酒がいけないのかしら。
あっ、「なくならないように拾い集めようと必死にする」・・・。ひょっとしたら撮っているときも夢の影響があるのかもしれない。でも、もしかしたら写真を撮っている経験が奇妙な夢につながっているのかも。
ただ深酒のせいだけではないのかしらね。なんて。
さて、「夢と現実の矛盾した状態の肯定」。
果たして、ストレートフォトを用いてシュルレアリスムを体現することはできるのだろうか。
牟田義仁 |