2022.09.20 - 10.2
柴田裕哉 Shibata yuya
雨と鬼灯
APS-C digital カラー
インクジェットプリント A3ノビ 20枚
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今年の展示で初めて「Y/Y」以外のタイトルで展示をします。
「Y/Y」というのは染色体からきているのですが、y染色体とy染色体は結合した瞬間に生体物質として不完全なので、死んでしまうそうです。
このタイトルを使い始めたのは確か2回目の展示でした。
当時は全く写真のことがわからなくて(今もさっぱりですが!笑)自分の写真に対する不完全さみたいのが主だった理由でしたが、使い続けていくうちに、自分の中でも少しずつ解釈が変わっていき、自分のための題名だったのが、なんとなく写真のための題名に変わってきた気がしています。
『染色体は、遺伝情報の発現と伝達を担う生体物質である。(wiki参照)』
なんか写真に似てませんか?(笑)
このタイトルは便利だなぁなんて思いながら、もちろんタイトルに恥じない写真を撮って考えてはいますが、やっぱり便利なタイトルなんです。
でもこの先はどうかわかりませんが、一生このタイトルとは付き合っていくことになるんだろうなぁとは思っています。
今回は「雨と鬼灯」というタイトルになりました。
林芙美子の「浮雲」を読んで思いついたタイトルなのですが、
当初のタイトルは「雨と心臓」でした。
写真の展示に心臓なんて言葉を使うのは恥ずかしすぎる、と思って他に何か良い言葉ないかなぁと探していました。
ある日の職場で、お弁当に付いてくる紙パックのお茶の横にある俳句に目が止まりました。
それは高校生の女の子が書いた句でした。
そこの句には鬼灯と心臓の2文字が。
「雨と鬼灯」かぁ。。。悪くない。
こんな感じで今回のタイトルは誕生しました。
写真と関係あるの?と言われたら、あまり無い。です。
タイトルが及ぼす展示への影響とか重要性もわかっているのですが。
でも言葉の含んでる意味ってその都度変わっていくものだと思うので、どこがで写真とタイトルが噛み合ってくるかもしれません。
写真を並べてみてのお楽しみです。
柴田裕哉 |