2023.2.14 - 2.26
宮沢豪 Miyazawa tsuyoshi
影を撮む
35mm、6×6判 カラー
タイプCプリント 16×20in. 21枚
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僕は何で写真をとってるんだろう?何のために?
いつも首を捻りながらレンズを向けて、本当にこれで良いのか分からないままシャッターを切り、ネガ現像してベタを取って初めて何がそこにあったのかがやっと見えはじめる。ルーペでネガとベタを交互に観察していると徐々に理解が深まっていく。そうして一枚伸ばした試し焼きと対峙する時、初めてはっきりと物の全貌が把握出来るようになる。
詰まるところ、僕は暗室に入らないと何も物を見る事が出来ないアキメクラだ。
(暗室作業をデジタルにおけるポストプロダクションに替えて考えても、プロセスとしては何も変わらないのだが、僕は暗室作業自体が好きなので性懲りも無く続けているだけです。)
何を写したいのか、どう写りたいのかはどうでも良くて、眼前にある物がどうネガに定着されるかに興味がある。そこで意味不明なカタルシスが訪れる事がある。それをキャッチして掬い上げたい。
写真は記憶装置でも記録装置でも無い。自分にとっては大げさでなく魂の解放装置なのだ。
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静物をとってみたら?と言われたので大好きなアンドレ・ケルテスを真似てガラス瓶をとってみた。
ケルテスのような軽妙洒脱にはならなかったが、タルコフスキーのポラロイドっぽい感じもして自分では気に入っています。
静物とはちょっと違うけどキノコの魚眼シリーズももっとやって行きたい。採って食うばかりでなく。
宮沢豪 |