2023.8.22 - 9.3
牟田義仁 Muta yoshihito
ケサランパサランカラー
35mm digital カラーインクジェットプリント
9.5×12in. 19枚
むたよしひと・略歴 >>
サードの前身、ガレリアQの頃からこの壁に写真を掛けるようになって四半世紀を超えました。それ以前は、神田にあった須田一政さんが主宰されていた平永町橋ギャラリーで展示をしていたのですが、店仕舞いの時間に須田さんが居られると、戸締まりをした後によく神田駅前のガード下にあったカレー屋さんに飲みに連れて行ってもらいました。そういえば、幾度となく連れて行ってもらったのですが、カレー屋さんなのにカレーを食べた記憶がない。
そのカレー屋さんで須田さんは、写真を発表し始めたばかりの私にいろんな話をしてくださったのですが、そのなかで「うちらが撮ってるような写真にタイトルなんて、なかなかつけらんないよな」みたいなことを仰っていて、それを今年の初夏、銀座で拝見した『須田一政 個展「物草拾遺」』で掲出されていた"須田一政『日本カメラ』(日本カメラ社、1980年12月号)「今月の口絵」"より一部抜粋された文章を読んで思い出しました。カレー屋さんで酔って顔を赤くした陽気な須田さんも思い出しました。後藤元洋さんもいたっけなー。須田さんの文章、是非読んでください。展示された写真も何点かご覧になれます。Akio Nagasawa Gallery Ginza 須田さんのページ >>
さて、そこで今回のタイトル、ケサランパサランであります。語源の一説にはスペイン語で「なるようになるさ」を意味するケセラセラからなんだそう。気になり出したきっかけは、あるテレビのバライティー番組で女優さんが詠った一句から。それ以来ずっとケサランパサランが耳の奥に残っていて・・・。いまの私のメンタル的に「なるようになるさ」を縋る思いでつけました。
そのケサランパサランを調べましたところ、タンポポの綿毛(植物系由来)やウサギの尻尾(動物系由来)のようなフワフワした白い毛玉なんて説が主流としてありますが、なんともなんとも諸説の多いことか。ひょっとしたら、カラスやコウモリみたいに真っ黒だったりして。しかも鉱物由来説もあるらしいのです。そしてなんと!山形県鶴岡市の加茂水族館や兵庫県姫路市の姫路市立動物園でケサランパサランが展示されているんだそう。機会があれば是非見に行ってみたいです♪
牟田義仁 |