2024.8.20 - 9.1
浜田泰介 Hamada taisuke
polkadot
35mm digital
カラーインクジェットプリント 20×24in. 20枚
はまだたいすけ・略歴 >>
polkadotのタイトルでの展示は、今回で5回目となった。
節目というには短いけれど、この作品のこれまでのことを書いてみたいと思う。
polkadotという作品が最初に目指したのは「言葉より先にまず写真がある」ということだった。
まず写真がある、というのは、撮影をしている時点で言葉で言い表せるコンセプトはなく、決まったイメージを探し出すとか、何かを伝えるために写真を使うということでもなく、写真そのものが目的として存在している、ということだ。
しかしながら、写真を撮ろう、とすると、そこには余計な何かが混ざってしまうのだった。
箸を使って飯を食うように、極力頭を使わず身体の反射のようなもので写真を撮ることを目指した。
polkadotとは水玉模様のことで、大きくも小さくもない、中くらいのサイズのドットパターンのことを意味する。
大きくも小さくもないという曖昧さから、不定形の写真に添える言葉としてふさわしいと感じてこのタイトルを使用している。
目の前の事よりも、少し距離のあるモノやコトにレンズを向けた。
縦の構図には独特の緊張感があって、写真それぞれが自立している気がして好んで撮影した。
撮影機材は主に中望遠域をカバーするズームレンズを付けたミラーレスカメラを使用した。
ミラーレスカメラはレンズの向こうの光景を撮像素子で受容したのち、そこで得た情報を画像へと変換し、それを背面モニターや電子ファインダーへ映し出して僕に提示してくる。
写真を撮る時、僕はいつもこのカメラが一度見た光景の再現を見ている。
世界をスキャンする機械のような構造で写真を撮るこのカメラは、その後ろに居る撮影者の存在感を薄めてくれるような気がする。
現代アートの潮流や、写真的映像作品、AIによる画像生成技術の進歩など、写真を取り巻く環境は変わり続けているが、表面的な真新しさこそないけれど、今だからこそストレートフォトで出来る面白いことがきっとあると、僕は信じて写真を撮っている。
浜田泰介 |